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2018.08.28前期初任者研修会開催報告

去る8/18-19の二日間、2018年度北海道医療ソーシャルワーカー協会前期初任者研修会(12時間)が、50名の参加を得、無事開催されました。クライエントのwellbeingを高めるため、ソーシャルワークの価値、知識、技術について学びました。」

以下は参加者の感想です。ご一読ください。

「前期初任者研修に参加して」

「北海道医療ソーシャルワーカー協会初任者研修に参加しての感想」

 

 

「前期初任者研修に参加して」

新札幌聖稜ホスピタル 事務部 医療相談課 谷敷 拓磨

 前期初任者研修会に参加して、私には、二つの大きな収穫がありました。第一に、ソーシャルワーク実践の基盤とその重要性を改めて学び、自身の課題に気づけたこと。第二に、多くのソーシャルワーカーに出会えたことです。本稿では、この二点について詳しくお話しします。

 第一に、ソーシャルワーク実践の基盤を改めて学べたことについてです。今回の研修会のプログラムは、ソーシャルワークの価値、原理原則、倫理綱領など「ソーシャルワークの基本概念図」に沿った基盤的な内容だったと感じました。研修が始まる直前、このプログラムを見たとき、私は「この内容は学生時代の初めの頃に十分学んだことだが、今更学ぶ必要があるのだろうか。」と疑問を感じていました。しかし、研修が進むごとに、「あのとき、クライエントとの信頼関係をうまく構築できなかったように感じられた。」や「このとき、クライエントや家族の希望・意向を中々引き出せなかった。」、「クライエントの発言や行動に対して、どう行動すべきか分からなくなった。」などの出来事が、「何故そうなったのか。」「ソーシャルワークの基盤をもとに考えればこんな行動ができたのではないか。」と考え、分析できるようになりました。このような状況から、ソーシャルワーク基盤は、ソーシャルワーカーとしての自身の実践の質を見極め高めることを可能とし、ひいてはクライエントのウェルビーイングを高めることを可能とする重要なものなのだと理解することができました。また同時に、これまでの自身の実践に対して、ソーシャルワーク基盤に則った判断や分析、考察が不足していたことが分かり、基盤に対する本質的理解の不足にも気づくことができました。今後は、クライエントへの支援の質を向上させるため、ソーシャルワーク基盤の十分な理解とそれに基づく実践を行うよう、倫理綱領、原理原則を確認する機会を作る、定期的に自身の支援経過を基盤に則って分析するなどの研鑽に努めます。

 第二に、多くのソーシャルワーカーと出会えたことです。今回の研修では私を含め50名以上が参加しており、その人達との会話やグループワークを通して、「この人はとても優しい落ち着いた話し方をするな。」「この人はとても知的な印象で、クライエントから見たら頼りがいがありそうだな。」など、ソーシャルワーカーとしてのその人に対するイメージを浮かべました。その中で「私もこの人のような雰囲気を身に着けたい。」「この人のような話し方ができるようになりたい。」と、その人の持つ強みを羨ましく感じることがありました。私は、今回の研修での出会いを、切磋琢磨し合い、クライエント支援のため協力し合うことのできる仲間ができたのだと強く感じています。今後も、今回出会った方々とともに、ソーシャルワーカーとして一つひとつ確実に成長していきたいです。

 

「北海道医療ソーシャルワーカー協会初任者研修に参加しての感想」

松前町立松前病院  保大木 直

 私は、勤務して1年が経過した2年目の医療ソーシャルワーカーです。前職は福祉分野で職務についておりました。現在の職場環境は、事務局の一員という立場です。この一年間、一人職場として職務に就く中で医療ソーシャルワーカーとしてのアイディンティティーの獲得に戸惑う部分が多くありました。そこで今回の研修を通じ医療ソーシャルワーカーとしての原理・原則を正しく理解し、根拠と価値に基づく支援を展開するための力を身につけたいという課題意識で会場を訪れました。

 講義はどの講師の方々も事例を交えた指導をして下さり、文面からだけの知識理解ではなく、より実践に沿った理解をすることが出来ました。特に心に残った講座として「医療ソーシャルワーカー倫理綱領の理解」があります。この講座では、日々行う支援は困難性を伴っていたとしても必ず倫理綱領の行動基準に落とし込むことが出来る。そして、自己のソーシャルワークが行動基準に則った支援展開であるのかを都度確認し、実践を振り返り・評価する作業が重要であると言う点に、援助職としての認識を新たにすることが出来ました。他に、この研修を通じた学びとして、バイステックの7原則を使い援助関係を形成する過程(面接)を繰り返し、大きくゆとりのある水路を構築し、その水路に見合った情報提供と意思決定支援を行う事が重要であるという事。自院のストレングスを資源の一つとしてしっかりとクライエントに伝える事が大切な事。専門職として自立する力を身につけていく事が、地域・病院を担っていく医療ソーシャルワーカーとして必要な考え方であるという事。これらの事に強く心を動かされました。今後は、学んだ事を生かし、クライエントのウェルビーイングを高めると言うミッションを遂行するために力量を発揮していきたいと考えます。

 最後になりますが、この研修を通じ職能団体の意義と良さを感じ取ることが出来ました。北海道医療ソーシャルワーカー協会という団体に所属し、自己の専門知識を高め、切磋琢磨する仲間を作り、専門職として発達していくためのキャリアを自らのレベルに応じて積む。私も、北海道医療ソーシャルワーカー協会の一員として意識を高く持ち、価値に根差した実践を行い、レベルに合わせたソーシャルアクションを展開していきたいです。

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